自宅で行う植物タンニン鞣しの方法
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鹿皮・猪皮の植物タンニン鞣し工程(簡易版)
植物タンニン鞣しとは?
植物に含まれる「タンニン」を使い、動物の皮を腐らないよう加工して革にする伝統的な製法です。
木の樹皮や実などから抽出した天然タンニンを使用し、時間をかけてゆっくり革へと変化させます。
植物タンニンが皮のコラーゲンと結合し、腐敗しない「革」になります。
【工程の流れ】
原皮保存→水漬け→裏打ち→石灰漬け→脱毛→脱灰→鞣し→渋吐き→加脂→乾燥→柔軟作業→完成
① 原皮保存
狩猟後の皮を保管します。
・塩蔵保存
皮を洗浄し、肉面に塩を擦り込み保存します。
・冷凍保存
少量の皮を保存する場合に便利な方法です。
② 水漬け
十分な水に皮を漬け血液や汚れを除去するとともに、保存中に失われた水分を戻し生皮の状態に近づけます。
③ 裏打ち(フレッシング)
肉面の皮下脂肪、肉塊、結合組織を取り除きます。
作業には銓刀と蒲鉾台を使用しますが、なければ鎌と塩ビ管で代用が可能です。
④ 石灰漬け
石灰により皮の膨潤と毛根を緩め脱毛を容易にします。
また皮組織中の脂肪分は鹸化作用により取り除かれ脱脂を促進します。
原皮重量の5倍程度の水に消石灰を加えて1~3%濃度にします。
通常4〜7日程度浸漬します。
※作業時はゴム手袋・保護眼鏡を着用します。
⑤ 脱毛
石灰漬けの終わった皮は毛の面を上にして、裏打ちの時と同じく銓刀と蒲鉾台を使用して脱毛します。この時毛並みにそって擦ります。
銓刀は裏打ち用とは別に刃を落したものを使用
擦っても抜けない毛がある場合は無理せず再度石灰溶液に浸けなおします。
※作業時はゴム手袋・保護眼鏡を着用します。
⑥ 脱灰
石灰漬けにより皮には多量の石灰を含みアルカリ性となっているため中和して鞣しに適した状態にします。
皮重量の4~5倍程度の水に硫安(硫酸アンモニウム)を加えて2%程度の濃度にします。
十分に水洗いした皮を時々撹拌しながら数時間漬ける。
脱灰後は白く柔軟な状態になります。脱灰の完了は皮の切り口にpH指示薬フェノールフタレイン溶液をつけ赤く反応しないことを確認する。
脱灰後はよく水洗いする。
⑦ 鞣し
植物タンニン液に漬け鞣しを行います。
最初にタンニン濃度の高い液に漬けると表面が急激に鞣され浸透性が悪くなるため、薄いタンニン液から徐々に濃度を上げ鞣し作業を行います。
◆鞣し作業
皮重量の4~5倍程度の水に植物タンニンを加えて2%程度の濃度にします。
皮をタンニン液に漬け時々撹拌しながら数日かけて徐々にタンニン濃度を上げ、最終的に10%程度の濃度にします。
通常2週間から3週間程度でタンニンが内部まで浸透して鞣しが完了します。
タンニンの浸透は時々首やお尻の厚い部分の切り口を確認し、浸透具合をみながら浸漬期間、濃度を調整して下さい。
⑧ 渋吐き
鞣しを終えた革は表面に付着したタンニンと未結合タンニンを水で洗って除去する。
タンニンがあまりでなくなるまで何度か水洗いを繰り返します。
渋吐きの終えた革は馬掛け(水が切れる状態)にしてシートを被せ一晩寝かせます。
⑨ 加脂
革に油分を与え、柔軟性や耐久性を高めます。
一晩置き水分が均一な状態で加脂を行います。
ニートフットオイル、魚油、ラノリングリースなどを単独、任意の配合で組み合わせ革の両面から塗りこみます。革が薄い場合や伸びをよくしたい場合、加脂剤はお湯(40℃)で乳化させて使用。加脂を組み合わせる場合は湯煎しながら十分に加脂だけでよく撹拌、乳化させる場合は混合後にお湯を加える。
⑩ 乾燥
加脂後、シワを伸ばした革をがら干し乾燥させます。
⑪ 柔軟作業(揉み仕上げ)
乾燥中または半乾きの状態で革を揉みほぐします。
この工程によって革が柔らかく仕上がります。
完成